DRY CONTINENT “AUSTRALIA”

ケサマシブ

2005年01月05日 17:27



これは11月の末、クイーンズランドに物理のセミナーに行ったときに、シドニーからゴールドコーストへのフライトで機内から撮った写真である。少し海岸から離れたところを飛んでいたとは言え、緑の少なさには驚くばかりである。
オーストラリアは、“DRY CONTINENT”(乾いた大陸)とも呼ばれている。雨が少ないからである。僕の住んでいるホバートも降水量が少ない。オーストラリアの州都の中で2番目に少ないそうだ。雨が降る頻度は日本とあまり変わらないような気がするのだが、雨の強さが日本と比べものに成らないくらい弱い。傘が必要になるほどの雨は滅多に降らないし、実際雨降りに傘を差して歩いている人はあまり見ない。

だからオーストラリアでは毎年夏が来るたびに水不足に悩んでいる。驚くことに北海道の8割の面積のところに1割の住民しか住まないタスマニアでも、時期によって水道水の使用が規制されるようだ。(そんなことは北海道では絶対ない。)たとえば第1段階の制限では、庭に水をまく日を1週間のうち月水金の3日間しか認めない。さらにもっと厳しい第2段階では、第1段階の制限に加えて水まきは午後6時以降しか認めないと言うような具合である。(昼間に水をまくと、約40%が蒸発すると言われている。)

メインランドではもっと深刻で、ホームステイでシャワーは1回5分以内に決められているというような話をよく聞く。

確かに、このドライコンティネントに広大な農場や牧場があることで莫大な量の水が必要なこともあるだろう。しかし僕には、ここに住む人たちのライフスタイルにも原因があるように思えてならない。

前に住んでいた所でよく、「日本人は水を無駄使いし過ぎる。オーストラリアは雨が少なくて水不足になりやすいから、日本にいたときのように無神経に水を浪費しもらっては困る。」というようなことを言われた。郷に入っては郷に従えということだ。

でも彼らも郷に従っていないんだよね、実は。彼らが庭にせっせと水をまくのは、彼らの庭をイングリッシュガーデンのようにいつも緑に保つためなのだが、僕にはそれがこの乾いた大地に必要以上のストレスを与えているように思えてならない。ここはオーストラリアでイギリスじゃないんだから、ここの気候にあった庭を考えた方がいいんじゃないのと思ってしまう。(この姿勢は、オーストラリアが周辺のアジア諸国より遠くのヨーロッパや北米に多くの関心を向ける姿勢にも共通するように思える。ニュージーランドの進む道とは対照的に思える。)

それから、ここタスマニアでは水道料金がタダなのだ。僕にはちょっと信じられない。それだからみんな水を無駄使いするのだろう。電気代はえらく高いようなんだけどね。
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