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2004年11月22日

ガーナのトマト

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ガーナのトマトは、子供の頃のトマトの味がした。青臭くって、いかにも太陽の光をいっぱい吸収したという濃い味がした。

僕は、平成5年から2年間、西アフリカのガーナで青年海外協力隊員として、日本の高校にあたるシニアセカンダリースクールで数学を教えた。僕の任地は、ガーナでも奥地のアッパーイーストリジョンの首都ボルガタンガだった。人口は当時で、3、4万人と言われていた。

僕の任地の学校はボルガタンガの中心部から約8キロ離れた所にあったため、毎日町に行くことは出来なかったが、3日に1回は買い物とレストランで栄養のあるものを食べるために町へ出ていた。僕の前任者が、『食べることは生きることだ。』と言っていたように、栄養のあるものを食べることは、マラリアなどの病気に対抗できる体力を維持し、ボランティアとして活動を行うためには必須のことだったのである。

町の青空マーケットは、例外なく3日ごとに開かれた。だから、たいてい僕は、マーケットデイに合わせて町へ出た。当時、青空マーケットで常に手に入る野菜は3種類しかなかった。(それは、ほとんど、ボルガタンガの町全体で手に入る野菜が3種類ということを意味していたが。)季節によって値段の変動はあったが、トマトとタマネギ、それにオクラは常に町のどこかで売っていた。

トマトの話をしよう。
日本のトマトはいつの間にか味気なくなった。長距離輸送に耐えうるようにするためか、肉厚で型くずれし難く長持ちするようになったが、味は没個性的に水っぽくなり、青臭いけど酸っぱくて甘いぞというトマト本来のアイデンティティーが無くなってしまった。

ガーナのトマトを食べて、忘れていたそのことに気がついた。ガーナのトマトは長距離輸送のことなど考えて作られていない。近くの農家がマーケットデイに売りにくるだけだ。だから、日本のように輸送の日数を見越して、熟する何日か前に収穫するようなことはなく、早く食べないとすぐダメになってしまう。

日本でもほんの数十年前までは、同じ様なものだったんだろう。この変化が良いことなのか悪いことなのか、そんなに単純に結論が出せないのかはよく分からない。しかし、おいしいのはガーナのトマトの方だというのは、僕にとって明らかな事実だ。


(この写真で、手前のテーブルの左半分はトマト、右半分は唐辛子と思われる。奥のテーブルの右には袋に入った砂糖、その後方に袋に入ったゆでたピーナッツ(当地ではグランドナッツと呼ばれている)、その手前の赤い物は唐辛子だろう。更に、奥のテーブルの左と後ろにある物は干した小魚だと思われる。)

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Posted by ケサマシブ at 14:20│Comments(0)ガーナ
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