2005年11月14日
ユークリッド空間で起こる接空間、余接空間との同一視(前編)
この同一視は便利でもあるが、そのためにユークリッド空間での微積分と、多様体上での微積分の対応がはっきり見えないという負の側面もある。
簡単のために2次元ユークリッド空間で考える。
直感的に明らかだが、R^2空間の接空間は各点で元のR^2空間と同一視できる。
厳密に言うと、以下のようになる。(面倒なので手書き)
簡単のために2次元ユークリッド空間で考える。
直感的に明らかだが、R^2空間の接空間は各点で元のR^2空間と同一視できる。
厳密に言うと、以下のようになる。(面倒なので手書き)




(上の図に関する補足)
この図は本来、別々の空間である元の空間R^2と点qでの接空間(R^2)_qを同一視して1つの平面に描いたものである。(と言っても教養レベルではよく見かける図だろうが。)
2枚の透明なシートがあって、1枚は元の空間R^2であり、その上にx軸やy軸、r、θが描かれていて、もう1枚は接空間(R^2)_qで、∂/∂xや∂/∂y、∂/∂r、∂/∂θなどが描かれていて、それを重ねた状態で見ていると考えてれば分かりやすいだろう。
Posted by ケサマシブ at 14:58│Comments(19)
│数学
この記事へのコメント
うーん、接空間がR^nなのは当たり前ですよ。
そうじゃなくて底空間がR^nのときに
接空間と自然に一致するような仕掛けが
あるといってるのかと思ったんですよ。
でも上の説明はただ接空間がR^nだというだけですよね。
それって底空間との同一視じゃないじゃない
そうじゃなくて底空間がR^nのときに
接空間と自然に一致するような仕掛けが
あるといってるのかと思ったんですよ。
でも上の説明はただ接空間がR^nだというだけですよね。
それって底空間との同一視じゃないじゃない
Posted by ゲスト at 2005年11月14日 15:43
とりあえず、全部読んでみて下さい。
Posted by Ima@Tas at 2005年11月14日 15:47
ああ、二枚目があったのか。
ところで、gradfをrとθで計算すれば、私のいったことが理解できますよ。だってどの点でも同じ基底なんかとれっこないもの。それって自然じゃないでしょ。
ところで、gradfをrとθで計算すれば、私のいったことが理解できますよ。だってどの点でも同じ基底なんかとれっこないもの。それって自然じゃないでしょ。
Posted by ゲスト at 2005年11月14日 15:52
あなたも図示したからもう分かるでしょう。
各点での∂/∂rと∂/∂θは大きさも方向もぜんぜん違いますよね。
つまり各点の接空間は全く違う基底を持っているのだから自然な同一視はできません。
いっときますが座標変換が自然だとかいうのは強弁ですよ。
各点での∂/∂rと∂/∂θは大きさも方向もぜんぜん違いますよね。
つまり各点の接空間は全く違う基底を持っているのだから自然な同一視はできません。
いっときますが座標変換が自然だとかいうのは強弁ですよ。
Posted by ゲスト at 2005年11月14日 15:56
大体、底空間に対して「標準的基底」があると思うのはなんかおかしい。
接空間は線形空間だから基底を考えるのは当然だけど。
接空間は線形空間だから基底を考えるのは当然だけど。
Posted by ゲスト at 2005年11月14日 16:12
結局、「同一視」という日本語の解釈が違っていたようですね。(英語の本ではidentiftyって書いてあるけれど。)
>つまり各点の接空間は全く違う基底を持っているのだから自然な同一視はできません。
僕がこの前編で主張しているのは、この事ではなく、元の空間(多様体)であるR^2と、各点qにおける接平面(R^2)_qが同一視できて、それぞれ別の平面にあるはずのものが、同じ平面上に描けるってことです。
>つまり各点の接空間は全く違う基底を持っているのだから自然な同一視はできません。
僕がこの前編で主張しているのは、この事ではなく、元の空間(多様体)であるR^2と、各点qにおける接平面(R^2)_qが同一視できて、それぞれ別の平面にあるはずのものが、同じ平面上に描けるってことです。
Posted by Ima@Tas at 2005年11月14日 16:22
>大体、底空間に対して「標準的基底」があると思うのはなんかおかしい。
そうなんです。普通の多様体ではできないでしょう。教養レベルでは、たまたま底空間がR^2だから、そうできちゃうんです。それが僕の言っている同一視です。
そうなんです。普通の多様体ではできないでしょう。教養レベルでは、たまたま底空間がR^2だから、そうできちゃうんです。それが僕の言っている同一視です。
Posted by Ima@Tas at 2005年11月14日 16:38
トラバありがとさんです。
まだ、この議論に関して、つっこみを入れることができるほどではないので、この辺で退散します。
まだ、この議論に関して、つっこみを入れることができるほどではないので、この辺で退散します。
Posted by ゲスト at 2005年11月14日 17:09
また別の機会によろしく。
Posted by Ima@Tas at 2005年11月15日 14:12
>元の空間(多様体)であるR^2と、各点qにおける接平面(R^2)_qが同一視できて、それぞれ別の平面にあるはずのものが、同じ平面上に描けるってことです。
ところで、「描く」だけなら、別にユークリッド空間でない多様体上にも描けますよ(笑)。
>>大体、底空間に対して「標準的基底」があると思うのはなんかおかしい。
>そうなんです。普通の多様体ではできないでしょう。教養レベルでは、たまたま底空間がR^2だから、そうできちゃうんです。それが僕の言っている同一視です。
いや、底空間がR^2だからといって標準的基底なんかとれませんよ。もちろん教養レベルでも許されません。だって多様体としてR^2だっていったって、線形空間の構造がはいるなんていってないわけですから。
ところで、「描く」だけなら、別にユークリッド空間でない多様体上にも描けますよ(笑)。
>>大体、底空間に対して「標準的基底」があると思うのはなんかおかしい。
>そうなんです。普通の多様体ではできないでしょう。教養レベルでは、たまたま底空間がR^2だから、そうできちゃうんです。それが僕の言っている同一視です。
いや、底空間がR^2だからといって標準的基底なんかとれませんよ。もちろん教養レベルでも許されません。だって多様体としてR^2だっていったって、線形空間の構造がはいるなんていってないわけですから。
Posted by ゲスト at 2005年11月16日 17:23
R^2からR^2への写像の微分としての線形写像は、あくまで接空間から接空間へのものです。この場合底空間が線形構造を持つかどうかなんてことは全く考える必要がありません。
Posted by ゲスト at 2005年11月16日 17:38
>いや、底空間がR^2だからといって標準的基底なんかとれませんよ。もちろん教養レベルでも許されません。だって多様体としてR^2だっていったって、線形空間の構造がはいるなんていってないわけですから。
>R^2からR^2への写像の微分としての線形写像は、あくまで接空間から接空間へのものです。この場合底空間が線形構造を持つかどうかなんてことは全く考える必要がありません。
全くその通りです。
前回、底空間がR^2だと「それが出来ちゃう」と書きましたが、正確には「本当なら出来ないのにやってしまう」というべきでしょう。
教養レベル(or多様体以前)では、底空間R^2とその接空間(R^2)_qを同一視して(or混同して)、あたかもR^2に線形構造が入っているものと考えています。
そればかりか、更にR^2に標準の内積が入っているものとしています。そうじゃないと標準直交座標や極座標は考えられません。
計量が加えられリーマン多様体になって初めて、標準直交座標や極座標を考えることが出来ます。リーマン多様体におけるリーマン正規座標が、ユークリッド空間の極座標に当たります。
>R^2からR^2への写像の微分としての線形写像は、あくまで接空間から接空間へのものです。この場合底空間が線形構造を持つかどうかなんてことは全く考える必要がありません。
全くその通りです。
前回、底空間がR^2だと「それが出来ちゃう」と書きましたが、正確には「本当なら出来ないのにやってしまう」というべきでしょう。
教養レベル(or多様体以前)では、底空間R^2とその接空間(R^2)_qを同一視して(or混同して)、あたかもR^2に線形構造が入っているものと考えています。
そればかりか、更にR^2に標準の内積が入っているものとしています。そうじゃないと標準直交座標や極座標は考えられません。
計量が加えられリーマン多様体になって初めて、標準直交座標や極座標を考えることが出来ます。リーマン多様体におけるリーマン正規座標が、ユークリッド空間の極座標に当たります。
Posted by Ima@Tas at 2005年11月17日 13:49
>>元の空間(多様体)であるR^2と、各点qにおける接平面(R^2)_qが同一視できて、それぞれ別の平面にあるはずのものが、同じ平面上に描けるってことです。
>ところで、「描く」だけなら、別にユークリッド空間でない多様体上にも描けますよ(笑)。
これはどうやるのか教えて下さい。
コンパクトなリーマン多様体なら出来るとは思うけれど、一般の多様体でも出来るんですか?
>ところで、「描く」だけなら、別にユークリッド空間でない多様体上にも描けますよ(笑)。
これはどうやるのか教えて下さい。
コンパクトなリーマン多様体なら出来るとは思うけれど、一般の多様体でも出来るんですか?
Posted by Ima@Tas at 2005年11月18日 15:55
>>ところで、「描く」だけなら、別にユークリッド空間でない多様体上にも描けますよ(笑)。
>これはどうやるのか教えて下さい。
それこそ座標系に従って接ベクトルとやらプロットするだけですよ。
だから座標系が重なってるところではものの見事にズレます。
描くのにコンパクトとか非コンパクトとかは関係ないですね。
ズレないようにするには、測地線を決める必要があるでしょう。
R^n有害論(笑)の根本は、もともとあるユークリッド計量とそれによって定まる測地線としての直線に無意識に頼るところにあるでしょう。
とはいえ、その問題点は、R^n=ユークリッド空間という同一視を断てば解決することであって、R^n上だからいかんと大騒ぎするようなものではありません。
>これはどうやるのか教えて下さい。
それこそ座標系に従って接ベクトルとやらプロットするだけですよ。
だから座標系が重なってるところではものの見事にズレます。
描くのにコンパクトとか非コンパクトとかは関係ないですね。
ズレないようにするには、測地線を決める必要があるでしょう。
R^n有害論(笑)の根本は、もともとあるユークリッド計量とそれによって定まる測地線としての直線に無意識に頼るところにあるでしょう。
とはいえ、その問題点は、R^n=ユークリッド空間という同一視を断てば解決することであって、R^n上だからいかんと大騒ぎするようなものではありません。
Posted by ゲスト at 2005年11月19日 15:34
私は大学1年の微積の時間に、Weyl の公理系でユークリッド空間を習い、dx はユークリッド空間に付随する線型空間の双対基底だと教わりました。私自身は数学科に進学したし、後に多様体を勉強した時、すんなり入っていけるなど、有益でしたが、まわりはチンプンカンプンで、取りあえず計算出来ればいいや、といった感じでした。
Posted by ゲスト at 2005年11月22日 11:37
ちょっと旅行に行っていたので、返事が遅れました。
>それこそ座標系に従って接ベクトルとやらプロットするだけですよ。
だから座標系が重なってるところではものの見事にズレます。
座標系の重なったところでは、座標系の取り方によって接ベクトルの像がずれる。ということは、描けないということじゃないですか。僕はそうとって描けないと言いました。
>ズレないようにするには、測地線を決める必要があるでしょう。
その通りです。だからリーマン多様体である必要があります。
>描くのにコンパクトとか非コンパクトとかは関係ないですね。
コンパクトならばどんな接ベクトルに対しても、有限個のリーマン正規座標系を考えればよいことになります。だから接ベクトルの像は有限個の測地線をつないだ物になります。これが非コンパクトでもできるのかどうかは自明じゃないでしょう?
>それこそ座標系に従って接ベクトルとやらプロットするだけですよ。
だから座標系が重なってるところではものの見事にズレます。
座標系の重なったところでは、座標系の取り方によって接ベクトルの像がずれる。ということは、描けないということじゃないですか。僕はそうとって描けないと言いました。
>ズレないようにするには、測地線を決める必要があるでしょう。
その通りです。だからリーマン多様体である必要があります。
>描くのにコンパクトとか非コンパクトとかは関係ないですね。
コンパクトならばどんな接ベクトルに対しても、有限個のリーマン正規座標系を考えればよいことになります。だから接ベクトルの像は有限個の測地線をつないだ物になります。これが非コンパクトでもできるのかどうかは自明じゃないでしょう?
Posted by Ima@Tas at 2005年11月23日 17:22
>dx はユークリッド空間に付随する線型空間の双対基底だと教わりました。
後に多様体を勉強した時、すんなり入っていけるなど、有益でした
これこそ多様体を意識したdxの定義ですよね。
後に多様体を勉強した時、すんなり入っていけるなど、有益でした
これこそ多様体を意識したdxの定義ですよね。
Posted by Ima@Tas at 2005年11月23日 17:23
>座標系の重なったところでは、座標系の取り方によって接ベクトルの像がずれる。ということは、描けないということじゃないですか。
ええ(笑)でもそれならR^nでも書けませんよ。R^n=ユークリッド空間ではありませんから。要は多変数の微積分は、R^nで考えてはいるけど、それは即ユークリッド空間で考えるということを意味しないということです。
>コンパクトならばどんな接ベクトルに対しても、有限個のリーマン正規座標系を考えればよいことになります。だから接ベクトルの像は有限個の測地線をつないだ物になります。
単にコンパクトだというだけで、計量を考えなければ、リーマン正規座標系など考えようもありません。はじめに計量ありきと思うからおかしくなるのです。
ええ(笑)でもそれならR^nでも書けませんよ。R^n=ユークリッド空間ではありませんから。要は多変数の微積分は、R^nで考えてはいるけど、それは即ユークリッド空間で考えるということを意味しないということです。
>コンパクトならばどんな接ベクトルに対しても、有限個のリーマン正規座標系を考えればよいことになります。だから接ベクトルの像は有限個の測地線をつないだ物になります。
単にコンパクトだというだけで、計量を考えなければ、リーマン正規座標系など考えようもありません。はじめに計量ありきと思うからおかしくなるのです。
Posted by ゲスト at 2005年11月25日 17:33
Sorry to write in English. I can't write in Japanese here.
There seems to be no more point to have farther discussion any more.
There might be quite significant difference in understandiing about differential geometry between us.
Thank you so far.
There seems to be no more point to have farther discussion any more.
There might be quite significant difference in understandiing about differential geometry between us.
Thank you so far.
Posted by Ima@Tas at 2005年11月25日 18:42