さぽろぐ

日記・一般  |その他の都道府県・海外

ログインヘルプ


2006年04月16日

オーストラリアとイリアンジャヤ(西パプア)独立問題(1)

このところオーストラリアとインドネシアの関係が緊張している。東チモールの独立後で最悪になっているそうだ。オーストラリア駐在のインドネシア大使が本国に引き揚げてしまっている。

直接の原因は、今年の1月インドネシアの一州であるイリアンジャヤ(西パプア)から亡命を求めて、クイーンズランド州北端のヨーク岬半島に流れ着いた40数人の西パプア独立運動家たちに、異例の対応でプロテクション・ビザを認めたことだ。(アフガニスタンからの難民などは本国に送還されている。)つまりオーストラリアは、亡命者たちを本国に送還した場合、彼らの身辺に危険があると考えているというメッセージを発したことになる。同時にTVや新聞紙上では、イリアンジャヤでインドネシア軍による人権侵害や殺人などが行われている、と盛んに報道されている。

これに対して、インドネシアは敏感に反応した。東チモールの独立の前にも、これと全く同じ様なことが起こって、結局インドネシアは、約25年間占拠していた地域を失ったからである。ポルトガルが植民地としての東チモールを放棄したのは1975年で、すぐにインドネシアが東チモールに侵攻した。当時はまだ冷戦の時代で、アメリカやオーストラリアは、東チモールに社会主義政権ができることを恐れてインドネシアによる占領を黙認した。ところが冷戦構造が崩壊した1990年代後半から手のひらを返したように、東チモールでインドネシア軍による人権侵害、虐殺などが行われているという国際世論(操作?)のもとに国連平和維持軍の派遣、独立是非を問う住民投票が行われ、2002年の独立までオーストラリアは中心的な役割を果たした。僕はチモール海の石油と天然ガスが目当てだったのだろうと思っている。

多民族国家であるインドネシアにはイリアンジャヤ州とアチェ州で独立運動が盛んだとされている。(アチェに関しては去年、独立派と政府との停戦協定が締結された。)両州とも豊富な地下資源を保有している。不思議なことに、世界中で人権侵害や虐殺などが行われていると(欧米メディアによって)報道されている地域には地下資源が多い。スーダンのダルフォー地方やミャンマー、ジンバブエなどがそうだ。同じような問題があっても、ソマリアなんかには(いわゆる国際社会は)関心を示さないようだ。資源がないと相手にされないのかな。

あなたにおススメの記事

同じカテゴリー(世界のこと)の記事画像
ベトナム戦争の英雄って、何のことよ?
お前らのせいで石油価格高騰ってか、いい加減にしろよ!アメリカ
同じカテゴリー(世界のこと)の記事
 Where is THE love? (2011-06-26 09:32)
 ボブ・マリーの Africa unite (2010-10-31 10:45)
 カンボジアとミャンマーへ行きます (2009-01-29 23:36)
 いわゆる「テロとの戦争」 (2009-01-12 04:16)
 ベトナム戦争の英雄って、何のことよ? (2008-02-11 01:03)
 お前らのせいで石油価格高騰ってか、いい加減にしろよ!アメリカ (2007-11-10 21:00)

Posted by ケサマシブ at 10:39│Comments(0)世界のこと
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
オーストラリアとイリアンジャヤ(西パプア)独立問題(1)
    コメント(0)